第二創業期の今こそ、有形、無形を問わず、成長を続けていく
株式会社ネットシスジャパン
専務取締役システム統括本部本部長 李 亨雨
アイディアの着眼点は現場から。お客様目線優先のモノづくり
NSJは、開発先行型メーカーとして着実に成長を続けてきました。コンセプトは「クライアントのほしいをカタチに」。客室のテレビにVODを付加するソフトウエア製品も、そんなコンセプトのもと、お客様目線を優先して開発されました。結果、テレビ端末を情報発信端末と捉え、ホテル館内の情報端末と位置づけることに奏功。その後のクラウド型PMSや、自動チェックイン機、レストラン・大浴場の混雑把握システムといった製品とも連携できるワンストップソリューションの技術は、こうして生み出されています。
サービスアイディアの着眼点は、クライアントであるホテルスタッフの声や宿泊客のアンケートなど、現場から生まれるものです。アイディアは今もたくさん温めていますが、次の技術トレンドは、きっとモバイルでしょう。コインランドリーの仕上がりをスマートフォンに知らせる製品は、すでにリリース済み。家電をすべてスマートフォンでコントロールするのと同じように、客室にいながらすべての館内サービスをモバイルで行える時代はもうすぐそこまで来ています。
ベンチャー企業のカルチャーに新しい風を吹き込む
ホテルなど宿泊サービス業に特化してきたことで、NSJは、他の大手ベンダーとは一線を画し、業界を支える企業としての立場を鮮明にしつつあります。ホテル側が困っている問題に素早くかつ柔軟に対応できる社員たちが、NSJの成長を支えてきました。よく言えば少数精鋭。新しい技術取得への果敢な挑戦など、ベンチャー企業のカルチャーで戦ってきたと言えるでしょう。しかし、個人の高い能力に頼る成長は、現状維持しか生み出せません。ホテルへの実績が積み上がるなか、さらに時代を先取りするサービスや開発を行うには個人のヒアリング能力やアイディア力、技術力だけでは無理。それぞれがチームとなり、組織にナレッジを貯め、業務や目標を組織化して対応する必要があります。コロナ渦で、ホテル業界が効率化とコストダウンを追求している現状の中、ITサービスがクラウドによって大きな変革期に突入したことなどを考えると、社長と私という二人のソフトウエア技術畑出身者だけでリーダーシップを取り続けることは難しいでしょう。新しい風、新しい技術を持っている人の参加や牽引が、これからの成長には必要不可欠なのです。
NSJの技術サービスがホテル業界でのリードを広げる
ホテルの心臓部とも言えるPMSは、オンプレミスの個別のホテル運用システムとして導入されたものが多く、ハードに依存し、拡張性にも乏しく、リユースするとしても膨大な時間とコストがかかってしまいます。NSJはそれをクラウドサービスで解消し、かつメニューも世界最多レベルにしました。需要予測に基づいた創意的なオンラインマーケティング活動及び売上増大と顧客サービス支援、業務プロセスに従ってユーザーには必要な機能だけを選択して使用できるので、大手から中小のクライアントまで対応でき、追加のコストも時間も最小限です。いずれ回復するインバウンド需要の前に、大胆なコストダウンへと舵を切り始めたホテル業界にとって、NSJの技術サービスはリードを広げています。
高品質なサービスを維持するためのIT技術
宿泊業界では、現在、大手エージェントが、OCC(客室稼働率)やADR(客室平均単価)といった売上と利益に直結する部分に依存している状態です。それはやはり本来の姿ではないと感じています。ホテル側のPMSが主体となって予約を最適化していくほうが、最終ユーザーであるお客様の利にかなうはず。SNSでホテルの評価を行うことはもちろん自由だと思いますが、個人の評価が宿泊施設への意見として、本当にフィードバックされているのでしょうか。ネットサービスの進化は、それぞれのデバイスや、個々のコミュニケーションサービスが発展しているだけで、経営に有効な指標として落とし込めていません。そのためには細かい情報、ビッグデータまで分析する必要があります。すべての産業を巻き込んだDXの流れは、ビッグデータを分析する流れでもあります。アナログ的な、おもてなしに代表される手の込んだ高品質なサービスを捨てることではありません。アナログを切り捨てるのではなく、サービスを維持するためにこそIT技術は使われるべきなのです。
クライアントを思いやる、専門技術を持った人に期待
これまでいろんな分野に進出してきましたが、これからはその知識を細分化、専門化、組織化していく段階です。第二創業期が始まっているといえるでしょう。お客様中心主義、フルライン対応はこれからも続けていきます。NSJ独自のノウハウを活かしたデバイスを選ばずに開発する力、拡張性と親和性を考えたソフトウエア技術は、会社のコアとして継続しながら製品やサービスを進化させることに注力しています。これからも業務の専門知識を活用してチームを発展させられる人、クライアントスタッフを思いやれる人、専門技術を持った人に期待しています。
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